「反響が減っている」という相談が増えています。実感の話ではなく、統計にも表れています。

この記事では、公表されている数字を確認したうえで、反響依存から抜けるために何を変えるべきかを整理します。

数字の確認

新設住宅着工戸数は、直近で大きく落ち込んでいます。

  • 2025年度の新設住宅着工戸数は 12.9%減の71.1万戸。リーマンショック後を下回る水準です(総合資格navi
  • 建設業の倒産件数は 4年連続で増加し、2025年に2013年以来初めて2,000件を超えました総合資格navi

市場が縮んでいる以上、同じやり方で同じ件数を取り続けることは構造的に難しくなります。

反響を「買う」ことの限界

多くの会社が、ポータルサイトへの掲載と広告で反響を確保しています。しかしこの方法には、市場が縮むほど不利になる性質があります。

一括査定サイト経由の反響は、4〜6社に同時配信されるとされています(Facilo)。同じ見込み客を複数社で奪い合う以上、初動の速さと価格が競争軸になりやすく、粗利が削られます。

市場が縮小すると、この構造はさらに厳しくなります。分母が減るなかで、同じ人数を同じ数の会社で取り合うためです。

「今すぐ客」は2割しかいない

不動産業界では、見込み客をランク分けして扱う考え方が定着しています。

今すぐ客は全体の2割しかおらず、競合と奪い合いになります。一方、そのうち客は8割を占めており、ここを育てた会社が中長期で勝ち続けます。

不動産会社のミカタ「見込み客ランク分け」

同ページでは、ランクA・Bを「今すぐ客」(約20%)、ランクCを「そのうち客」(約80%)としています(2026年8月時点で参照)。

つまり、反響を買うという行為は、市場の2割を全社で奪い合っている状態にあたります。残る8割は、まだ動いていないだけで存在しています(割合の出典は前掲 不動産会社のミカタ)。

では、何を変えるのか

考え方はシンプルです。「まだ探していない人」と、探し始める前につながっておくことです。

そのためには、自社だけが持てる顧客接点が要ります。たとえば次のようなものです。

  • 地域企業の社員とその家族との接点
  • 賃貸管理を受託している物件の入居者との接点

いずれも、すでに手元にあるか、比較的つくりやすい接点です。ここに「人生の変化を考える機会」を用意できれば、相談は広告費に依存せず発生します。

賃貸入居者であれば、更新の6か月前が自然なタイミングになります。「家を買いませんか」ではなく「更新する前に、これからの暮らしを一度考えてみませんか」という入り方であれば、押し売りになりません。

まとめ

  • 市場は縮んでいる。同じやり方では件数を維持できない
  • 反響を買う戦い方は、市場の2割を全社で奪い合う構造になっている(※ 割合の出典は 不動産会社のミカタ
  • 残る8割との接点を自社で持てるかどうかが、中長期の分かれ目になる

数字の出典はすべて本文中にリンクしています。自社の状況に当てはめて考える際の材料としてお使いください。