フランチャイズ加盟を検討するとき、加盟金と並んで継続的な負担になるのがロイヤリティです。
ロイヤリティの2つの方式
フランチャイズのロイヤリティには、大きく分けて「定額方式」と「歩合方式」があります。定額方式は毎月一定の金額を支払う方式、歩合方式は売上や粗利に一定の割合を掛けた金額を支払う方式です。
どちらが有利かは一概には言えません。定額方式は、売上が伸びるほど負担率(売上に対するロイヤリティの割合)が相対的に下がっていきます。一方で、開業初期のように売上がまだ小さい時期には、定額の負担が相対的に重く感じられることがあります。歩合方式は売上に連動するため、開業初期の負担は軽くなりやすい一方、事業が成長した後もロイヤリティ額が売上に比例して増え続けます。
ロイヤリティの相場
住宅・不動産フランチャイズにおける定額方式のロイヤリティ相場は、月10万円〜30万円程度とされています(SUMiTAS「不動産のフランチャイズ加盟料の相場は?費用内訳と資金が足りないときの対処法」、2026年8月時点で参照)。この記事は加盟金の相場情報とあわせてロイヤリティにも触れており、業界内での目安として参照できます。
歩合方式の具体的な料率は本部によって幅があり、業界全体を横断した相場情報は現時点で確認できていません。歩合方式を検討する場合は、想定売上に対して実際にどの程度の金額になるかを、本部から個別に試算してもらうことをおすすめします。
定額方式の負担率が変わる仕組み
定額方式は「売上が伸びるほど負担率が下がる」と説明されますが、具体的にどう変わるのかを、単純な試算例で確認します。
仮に月額ロイヤリティが10万円の定額方式で、月商500万円の月と、月商1,000万円の月を比較すると、売上に対するロイヤリティの負担率は2%から1%へと下がります。同じ10万円という金額でも、売上規模が大きくなるほど、経営への圧迫感は相対的に小さくなっていく計算です(※あくまで説明のための試算であり、特定企業の実績数値ではありません)。
歩合方式の場合はこの逆で、売上が2倍になればロイヤリティ額もおおむね2倍になります(料率が変わらない前提の場合。※同じく説明のための試算です)。負担率そのものは一定ですが、支払う金額は売上に連動して増え続けます。どちらの方式が自社にとって有利かは、今後の売上見通しをどう置くかによって変わります。
LMPのロイヤリティの場合
一例として、LMP(LIFE MAKE PARTNERS)の月額ロイヤリティは20万円(定額方式・税別)です(※自社調べ。2026年8月時点の募集条件)。ロイヤリティには以下の利用料・保守費用が含まれます。
- eラーニングシステム
- 人生支援DX
- AI営業ロープレ
- アオ先生
- RC入会企業の顧客管理システム
この20万円は、先に挙げた相場(月10万円〜30万円)の範囲内に位置します(※前段の相場・自社条件いずれも前掲の出典・自社調べに基づく)。定額方式であるため、加盟後に売上が伸びるほど、売上に対するロイヤリティの負担率は相対的に下がっていく計算になります。
定額と歩合、どちらを選ぶか
事業の見通しによって、有利な方式は変わります。
- 開業初期から一定の売上が見込める場合 — 定額方式であれば、売上が伸びるにつれて負担率が下がっていくため、成長を織り込んだ計画が立てやすくなります
- 開業初期の売上が不透明な場合 — 歩合方式であれば、売上に連動して支払額も小さくなるため、初期のキャッシュフローの負担を抑えやすくなります。ただし事業が軌道に乗った後も、ロイヤリティ額は売上に比例して増え続ける点は理解しておく必要があります
- 将来の事業規模の見通し — 数年後にどの程度の売上規模を想定しているかによって、定額と歩合のどちらが総額で有利になるかは変わります。契約前に、想定売上ごとの試算を本部に依頼しておくと判断しやすくなります
- 複数の事業を並行する予定があるか — 住宅販売以外の事業(保険・金融商品の取次等)も並行して検討している場合、ロイヤリティの計算対象がどこまで及ぶのかを確認しておくと、後から想定外の負担に気づくことを防げます
いずれの方式でも、ロイヤリティに何が含まれているか(システム利用料・研修・サポート等)を確認することが、金額の妥当性を判断する前提になります。加盟金と同様に、金額の大小だけでなく内訳を見ることが必要です。
また、複数の本部を比較する場合は、ロイヤリティの計算基準にも注意が必要です。歩合方式の場合、「売上」に対する料率なのか、「粗利」に対する料率なのかによって、同じ料率でも実質的な負担は大きく変わります。本部から提示された数字が何を基準にしているのかを確認せずに比較すると、実態と異なる印象を持ってしまうことがあります。
契約前に確認しておきたいこと
ロイヤリティは加盟金と違って一度きりの支払いではなく、加盟後、事業を続ける限り発生し続ける費用です。契約期間が長くなるほど、総支払額に占めるロイヤリティの割合は大きくなっていきます。目先の加盟金の安さだけで選ぶのではなく、事業を続ける期間全体で見た総額で比較する視点が欠かせません。契約前には、次の点を確認しておくと、開業後の資金計画が立てやすくなります。
- ロイヤリティの改定条件(将来的に金額が変わる可能性があるか)
- 支払いのタイミング(月次か、別の周期か)
- ロイヤリティに含まれるサービスの範囲と、含まれないサービスの費用
- 契約期間中にロイヤリティの方式(定額・歩合)自体を変更できるか
- 複数店舗を展開する場合、店舗ごとにロイヤリティが発生するのか、まとめて計算されるのか
特に複数店舗展開を視野に入れている場合は、店舗数が増えたときのロイヤリティの計算方法を早い段階で確認しておくと、事業計画の精度が上がります。1店舗ごとに個別に計算される方式と、複数店舗の売上を合算してから計算する方式とでは、規模が大きくなったときの総負担額が変わることがあります。展開計画がある場合は、契約前にこの点を本部に確認しておくことをおすすめします。
これらは加盟金の内訳確認と同じく、本部との商談の中で具体的に質問することで明らかになる部分です。
ロイヤリティと加盟金をあわせて考える
ロイヤリティは、加盟金と切り離して検討すると判断を誤りやすい費用です。加盟金が相場より低い本部でも、ロイヤリティが相場より高ければ、事業を続ける年数によっては総支払額が逆転することがあります。反対に、加盟金がやや高めでも、ロイヤリティに含まれるサービスが充実していれば、開業後に別途発生する費用を抑えられる場合もあります。
比較する際は、加盟金とロイヤリティを別々に見るのではなく、「開業から一定期間(例えば3年、5年)でいくら支払うことになるか」という総額の視点で試算してみることをおすすめします。本部によっては、この総額試算を商談の中で提示してくれる場合もあります。提示が無い場合は、こちらから依頼して確認するとよいでしょう。
まとめ
住宅フランチャイズのロイヤリティは、定額方式であれば月10万円〜30万円が相場の目安です(SUMiTAS)。定額か歩合かで、事業の成長段階における負担の意味は変わります。加盟金の相場や内訳の見方については、こちらの記事であわせて扱っています。
本記事の情報は公開時点(2026年8月)のものです。ロイヤリティ等の金額・条件は変更される場合があるため、最新の情報は本部・公式情報でご確認ください。